天国と地獄
 

2026年7月17日更新

第280回 見えない脅威とそれを知る努力

以前も少し当コラムに書いたことがありますが、
私の知人に群馬県で小児の精神疾患を診ている青山先生という方がいます。
先生のクリニックには、手の震えや体調不良など、
原因がはっきりしない症状を抱えた子どもたちが数多く訪れます。
いわば、「駆け込み寺」のような存在です。

先生のお話では、さまざまなケースを調べて行く中で、
農薬などの化学物質との関連が疑われる例も少なくないそうです。
たとえば市販のお茶についても、農薬を使用して栽培された茶葉が原料になっている場合があります。
もちろん基準値以内で管理されていますが、こうした話を聞くと私は、
生産者の顔が見えるオーガニックのお茶を選びたくなります。
特に抹茶は茶葉を丸ごと粉末にして摂取するため、私はできるだけ有機栽培のものを選ぶようにしています。

先日、青山先生と電話で話していた際に、「森に行くときは、注意した方がいい」と言われました。
地域によっては、森林管理のために除草剤や薬剤が散布されることがあるからです。
一般的に農薬には厳しい基準がありますが、除草剤の毒性は農薬よりかなり強いそうです。
私自身は、こうした化学物質への曝露には慎重でありたいと考えています。
森というと、美しい自然や澄んだ空気を思い浮かべます。
しかし、その裏側では人間の管理によって薬剤が使用されている場合もあります。

さらに私が気になるのは、ゴルフ場です。
芝生を一定の状態に保つため、農薬や除草剤が使われることがあります。
もちろん適切に管理されていますが、私はそうした理由もあってゴルフにはあまり興味がありません。

抗がん剤や農薬の中には、歴史的に軍事研究から派生して開発されたものもあります。
そうした経緯を知ると、化学物質との付き合い方について改めて考えさせられます。
また家庭用の殺虫剤についても、私は慎重な立場です。
ゴキブリが死ぬほど強力な薬剤を室内に散布することに、抵抗を感じるからです。
できるだけ物理的な駆除や、自然由来の方法を選びたいと思っています。

洗剤や日用品についても同様です。
便利さを追求する一方で、それらが人体や環境に与える影響についても知っておくべきではないでしょうか。
私は、現代人の健康問題の一因として、こうした化学物質との過度な接触があるのではないかと考えています。

結局のところ、大切なのは「本当のことを知ろうとする姿勢」です。
テレビやインターネットでは、「美味しい」「便利」「素晴らしい」といった言葉があふれています。
しかし、その商品の製造過程や環境負荷まで知る機会は多くありません。
魅力的な俳優やタレント、アニメーションや音楽を使った広告を見ると、
私たちは無意識のうちに好印象を持ってしまいます。

もちろん、企業には商品を売る使命があります。
しかし消費者としては、その裏側にある情報にも目を向ける必要があります。
どれだけのプラスチックが廃棄されているのか。
どれだけの農薬や化学物質が使われているのか……。
そうした背景まで知った上で選択することが、
本当の意味での健康や豊かな人生につながるのではないでしょうか。

青山先生の話によると、群馬県では森林への除草剤散布が大幅に見直されたそうです。
詳細はわかりませんが、その結果として群馬県の森は比較的安心して楽しめる環境になったと言われています。
もし自然を楽しみたいなら、群馬県の森は良い選択肢かもしれません。

もっとも、群馬にも熊はいます。
自然を満喫する際は、熊対策も忘れずにお願いします。

イメージや先入観で安全・安心だと思っていることや物が、私たちの身の回りには結構ある。
本当の成り立ちを知ったなら、使えない、食べられないというものも多いことが現実なのだ。
(2026年7月 株式会社第二海援隊 創立30周年記念の会にて)