天国と地獄
 

2026年3月5日更新

第275回 映画やドラマの効用

今回のコラムは、ちょっと趣向を変えて今までにない内容にしたいと思います。
最近、私はドラマを観ています。続き物のドラマです。また映画も結構、観ています。
なぜかというと、71歳になって長時間本を読むと目がきつくなってきたためです。
特に、細かい文庫本などはてきめんに目に来ます。
目を守るためにも、以前のように本ばかりを読まず、
連休や正月で時間があるときには、ドラマや映画を観るようにしています。
もちろん、ドラマや映画でも長時間観れば目が疲労しますので、
たとえば通勤電車の中では本を読まずに、
アイマスクをしてなるべく目とすべての神経を休めるようにしています。

様々なドラマや映画を見ている中で、
今回は私が皆さんにぜひ観ていただきたい番組をご紹介しようと思います。
まずは、NHKの「英雄たちの選択」という番組です。
歴史の裏を鋭くえぐり出すような良質な番組で、
今まで知られていた史実に留まらない、新たな情報などもちりばめられており、
非常に有意義な内容で私はよく録画して観ています。
BS4Kでも放送しているため、私は4Kで観ています。
4Kはハイビジョンよりもすごい超高精細の映像で、その迫力は圧倒的です。
たとえばエベレストやヒマラヤなどの映像も、信じられないような美しさで見られます。
興味がある方は、ぜひ一度家電屋さんなどで視聴されることをお勧めします。

さて、テレビでは他にもドキュメンタリーなども観ていますが、
最近では主にNetflix(ネットフリックス)で映画を観ています。
以前は、映画を観るときはブルーレイを買っていました。
映画館で観たものを買うのではなく、
噂で聞いた良さそうなものを買っていたのですが、
2本に1本は内容にガッカリして、二度と見ませんでした。
それでは意味がありませんね。
しかも、ブルーレイは1枚4000円~5000円と高くつきます。
その点、Netflixだととりあえず見始めて面白くなかったら途中で止めることができます。
それでいて、料金は高いプランでも月額2000円位なので、経済的です。

そのNetflixで、ぜひみなさんに観てほしいものがあります。
それは、「地球の限界」というドキュメンタリー映画です。
おそらくNetflixでしか見られないと思います。
スウェーデン人の気候変動研究者ヨハン・ロックストロームが、
地球が今、どれだけ危機的状況にあるかを彼の体験と研究を元に映画化したものです。
現在の地球環境問題に関して非常に分かりやすく、
そして極めて危機感をもって警鐘を鳴らしており、
人生観すら変わるような、とても素晴らしい内容の映画です。
これは必見です。

彼の研究所は、ドイツのベルリン郊外のポツダムにあります。
ポツダムといえば、日本が戦争に負けた時に「ポツダム宣言」が発せられた場所です。
私は2025年6月に彼の研究所を訪問したのですが、たまたま不在で会えませんでした。

地球環境問題は実は私たちの問題であり、地球を壊してしまえば私たちも壊れてしまいます。
人間は、地球の孫みたいなものです。
地球の子供が自然環境であり、その環境の中で生きているのが人間です。
人間も、地球の環境に生きる一つの生物にすぎません。
人間がどんなに頭が良くてどんなに優れていようと、
一生物である限り、自然環境を壊してしまえば生きていけないのです。
しかし、その環境はどんどん破壊されていて、生物が生きていけなくなる日がどんどん迫っているのです。
そうした事実を正しく知る意味で必見です。

それからもう1つ。
これも、Netflixでしか見られないかもしれません。
「ハウス・オブ・ダイナマイト」という、とてもリアルな映画です。
“ダイナマイトで満たされた家”という意味ですが、核戦争がどのようにして起きるかを描いた映画です。

私は、毎日新聞時代にアメリカの核戦争の地下要塞「NORAD」(北米航空宇宙防衛司令部)を取材しましたが、
まさにそこで調べたことがこの映画にはそのまま出てきます。
どのようにして核戦争が始まって行くか、その時アメリカがどうパニックになり、
また、ホワイトハウスの危機管理室や将軍たちがどういう動きを見せるのか。
ロシア、中国、北朝鮮などからICBM(大陸間弾道ミサイル)が核を積んで飛んできたとき、
ミサイルを打ち落とすアラスカの防衛部隊がパニックに陥る状況なども描写されており、
単に核戦争に焦点を当てるのではなく、その中にある人間ドラマを描いています。
中には、禁止されているのに軍人が自分の家族に携帯で電話したりする場面なども描かれています。

現代の戦争は、始まってしまえばごく短時間でミサイルが飛んできて、
あっという間に多くの人が犠牲になります。
たとえば、ロシア、中国、北朝鮮などがミサイルを発射したら、30分で相手国の本土に到達します。
映画では、衛星のセンサーがミサイルの発射を見落としてしまったため、
探知した段階で到達まで19分ぐらいしかありませんでした。
ここから、ホワイトハウスの危機管理センターも大統領もパニックになって行くのです。
非常によくできた映画です。

現代の私たちは、まさに一瞬で破局が訪れる、この映画さながらの世界に生きています。
日本も何かあったら、すぐさまパニックになってしまうでしょう。
そういう意味で、絶対に見たほうがよい映画だと思います。
私が今までに観た戦争映画の中でも“一番”と言っていいほど、特出して面白い映画です。

皆さんにも、この3つの作品はぜひ見て欲しいです。人生感が変わると思います。
今回は、ドラマと映画に焦点を当ててお伝えしました。


改めて振り返ってみると、私は映画やドラマで現実に起こっていること、
あるいは現実に起こりうることを視聴するのが好きなようだ。
つらい現実も、見て見ぬふりをしてはいけない。
映画やドラマは多くの“気付き”を与えてくれるといってよい。
          (2026年2月 自宅庭の紅梅の木の前で)