天国と地獄
 

2025年6月23日更新

第259回  初めてインドにやってきた!

今回から何回かにわたって、インド・ネパール・ブータン・タイからの現地コラムをお送りします。

4月20日、私は日本を出発して、人生で初めてインドにやってきました。
デリーの最高気温は、なんと42度です! とにかく暑い!! の一言です。
到着は夕方でしたが、西日が強く気温はあまり下がりません。
4月にもかかわらず酷暑ということにすっかり圧倒されましたが、
それよりもさらにびっくりしたのは、飛行機からの景色でした。

デリーに着く2時間前、バングラデッシュの上空に入った途端、
眼下に広がる景色に黄色いモヤがかかっていたのです。
原因は、大気汚染です。
アジア圏の深刻な環境汚染の実態をまざまざと見せつけられました。
また、それとは正反対の景色にも圧倒されました。
カトマンズの南を飛んでいた時には、2、300キロ先に
連なるヒマラヤ山地が雲の間から神々しい姿を見ることができました。

飛行機から見えた空には
    黄色い靄がかかっていた

2日目、私はさっそくオールド・デリーに繰り出しました。
古い町並みで、歴史的な建造物や市場が魅力です。
ホテルから目的地までは立派なランドクルーザーで行きましたが、
市場では「サイクルリクシャー」という、後ろに2人乗る人力車での移動です。
40歳ぐらいのインド人が、ヒーヒー言いながらも市場の中を一生懸命漕いで案内してくれました。
市場には、狭いところにたくさんの人や車がひしめき、活気と熱気、喧騒と混乱が渦巻く、
まさに「これぞインド」といった光景が繰り広げられていました。

二人を乗せて必死のパッチで漕いでくれた

中でも印象に残ったのは、iPhoneで動画を撮っていると、
20歳から23歳くらいの若い男性がニコニコして手振ってくれたことです。
インドの若い人は、みな明るく陽気です。
あれを見てしまうと、日本の若い人は8割ぐらいが根暗だと思ってしまいますね。

インドの平均年齢は28歳で、何しろ若い人たちが多い国です。
そして、大半は貧しいけれど、未来は明るいと感じている、そんな印象を強く感じさせます。
日本では、ちょうど昭和30年代がそんな感じでした。
映画「オールウェイズ 三丁目の夕日」の、あの世界観です。
その日本は、今や平均年齢が50歳に迫り、すっかり老いた国になりましたね。

インドは人口も増え続けており、今や中国を抜いて約14億人に達しています。
まだ「未開国」「途上国」という面影も色濃く残していますが、
逆に言えばこれから成長する余地が非常に多く残されているという事で、
その活気と熱気を肌で感じることができました。

市場ではたくさんの食べ物が売られている

インドでは、都会に一歩繰り出せばそこは「混沌」です。
とにかく、道は至るところ交通渋滞でぐちゃぐちゃです。
車と人力車とオートサイクル(3輪バイク)、
さらに自転車と歩行者が入り乱れていて、何が何だかわかりません。
人や車の多さはベトナムにも通じますが、あちらはもう少し整然としている気がします。
とにかくインドには、「混沌」と言っていい、すさまじさがあります。

そこらじゅうに野良犬がいる 猿もいる
旅先では早朝散歩に出ることが多い

そんな中で、私は現地の本格カレーを食べながらヒーヒー言っております。
次回は、デリーから飛行機に乗って「ブッダガヤ」という、
お釈迦様が悟りを開いた場所に行きます。
                      <次号に続く>