天国と地獄
 

2025年5月30日更新

第258回  トランプ大統領で変わる世界


皆さんこんにちは。浅井隆です。

早いもので、トランプ氏が大統領2期目になって100日が経ちました。
この間、石破首相も彼に会いに渡米しました。
世界各国に高税率を吹っかけているトランプ氏は、
いつ貿易戦争が起きてもおかしくないような状態を作り出しています。

そして、現実に戦争を起こしているロシアとウクライナの泥沼は、
停戦すらままならない状況を呈しています。

旧ソ連は、アフガン侵攻とチェルノブイリ原発事故でガタガタになりました。
チェルノブイリはウクライナとロシアの国境付近にあり、
事故はウクライナの一番北の方で起きました。
元々、共産主義、社会主義によるガチガチの体制で市場原理が働かないまま、
さまざまな問題が噴出していたところに原発事故が起きてしまい、
どうしようもなくなったのだと思います。

ロシアにはボルシチというスープがありますが、
これは元々はウクライナから発祥した料理です。
ロシアとウクライナは、言葉は方言のように多少違いますが、とても似ています。
ウクライナは、自分たちが本家だという気持ちがあるようで、誇り高いのだと思います。
関西と東京の争いのようなものですね。そのぐらい、両国は近いのだと思います。

かつてソ連が存在していた当時、東側には「ワルシャワ条約機構」がありました。
ワルシャワに本部があり、ソ連の後ろ盾となる島嶼国の連合軍です。
それに対し「NATO」は、ドイツ国境を挟んで
西側のアメリカが支援するヨーロッパの軍事同盟です。
ワルシャワ条約機構は解体され、NATOは存続しました。
今回、ロシアのウクライナ侵攻により、
ウクライナはNATOへの加盟を強く望んでいます。
自国のすぐ目の前にあるウクライナのNATO加盟を、プーチンは恐れているはずです。

アメリカにしてみれば、防衛に対してお金を出し渋るNATOに不満を持っているはずです。
それに対して、加盟国ではないものの日本はアメリカのポチ(言いなりの犬)ですから、
ある程度資金を提供してくれる日本をいじめて敵に回したらまずいという思いもあるのでしょう。
昔から日本は、在日米軍に対して「思いやり予算」をたくさん出しているのです。

今や、アメリカにとってロシアはそんなに怖い国ではないと思います。
中国の方が将来的に恐ろしい、最大の敵です。
中国をどう抑えつけ、これ以上のさばらせないか。
アメリカは覇権大国から降りると言いますが、
世界の警察官としての自国の負担は減らしたいが、
世界の覇権は握っていたいというのが本音だと思います。

石破氏については、私はそんなに親しいわけではありませんが、何度も会っています。
私の家にも2回ほどご飯を食べに来たので、多少のご縁があります。
石破氏と接してみて、彼は頭が良く、評論家には向いていると思いましたが、
果たして政治家には向いているのだろうかと思いました。

今回のトランプ氏との会談を聞いても、やはり頭が良いなと感じました。
うまく冷静に対応したので、 100点とはいかなくとも、
70点くらいはあげてもよいでしょう。
とんでもない事は言いませんでしたが、今後どうなるかはわかりません。
どちらが勝ったかといえば、やはりトランプ氏です。

そして面白いのはUSスチールの問題で、「買収」を「投資」と言い換えたことです。
中身はほとんど変わりませんが、取られるのではなく投資してもらうのだと、
トランプ氏はアメリカ国民に対して表明したのです。
誰かの入れ知恵かもしれませんが、トランプ氏は大したものです。

私は、トランプ氏のことは大嫌いだし、悪だと思っています。
なぜかというと、パリ協定から離脱し、「どんどん石油を掘れ」と発言するなど、
環境問題をあまりにも軽視(というよりも無視)しているからです。
トランプ氏は短絡的なものの考え方をしますので、面白いし、
名前の通り“トランプカード”をどんどん切っています。
しかし、長期的には人類にとって、良くない存在でしょうね。

トランプ氏に関しては、本コラムでも第二弾、第三弾を発信したいと思います。

私はトランプ大統領によって、世界が“悪く”変わることを危惧している。
国や組織は、そのリーダーによって良くも悪くもなる。
戦争を始めることも止めないことも、結局はリーダーの判断なのだ。
私たちは与えられた権利を有効に行使して、リーダーを厳選しなければならない。
        (2025年4月 和歌山県・わたらせ温泉にて)