皆さん、明けましておめでとうございます。
いよいよ2023年になりました。
普通、お正月にはおめでたい話をするものですが、
今日は皆さんのためにあえて厳しいお話をしたいと思います。
昨年は歴史的なペースで円安が進み、一時は1ドル=150円台をつけました。
一部では、「これは、通貨危機に近いレベルだ」とさえ言われています。
一体、なぜこのようなことが起きたのか?
そして、皆さんの将来の老後資金を守るにはどうすればよいのか?
これらについて、じっくりお伝えしたいと思います。
今回の円安は、将来やってくる国家破産の前兆だと私は見ています。
昨年、アメリカの中央銀行であるFRBは異例のペースで利上げを進めました。
深刻化しつつあったインフレを抑えるためです。
先進国では通常、1回の利上げ幅は0.25%程度ですが、
FRBは0.75%という大幅な利上げを何度も繰り返し、
金利をどんどん引き上げたのです。
アメリカのFRBが急ピッチで利上げを進める一方で、
日本の中央銀行である日銀は全く利上げに動きませんでした。
それどころか、異次元緩和という名の下に国債を買いまくり、
金利を強引に押さえつけているのです。
その結果、日米の金利差はどんどん開きました。
一般的に、お金は金利の高い通貨に向かいますから、
「ドル高・円安」が加速するのも当然です。
ただし、その日銀もついに市場の圧力に屈して、
12月に実質的な金利の引き上げに動きました。
ただ、円安の原因はこれだけではありません。
長期的な為替の動向を展望した場合、
むしろ「根本的な原因は日本の財政にある」と捉えるべきです。
日本国政府の借金はどんどん増えており、
GDP比の債務残高はすでに約260%に達しています。
これは、世界ワースト2位です。
ちなみに1位は、すでに国家破産状態にある、あのベネズエラです。
ベネズエラではハイパーインフレにより経済は崩壊、
多くの一般市民の生活が破壊されました。
そして、ワースト3位がスーダンです。
かつての内戦で、もうボロボロの国です。
日本は、そのスーダン以下なのです。
ベネズエラやスーダンの経済が崩壊状態にあるのに、
同じように巨額の政府債務を抱える日本経済は、なぜ崩壊を免れているのでしょうか?
大きな理由の一つは、日本の経常収支が黒字であることです。
経常収支は主に「貿易収支」「サービス収支」「第一次所得収支」から成ります。
かつては貿易で稼いでいた日本ですが、近年は貿易収支が悪化し、
それを海外投資先からの利息や配当などの第一次所得収支の黒字で補い、
経常黒字を維持している状態です。
ところが、新型コロナ感染拡大、その後のロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、
原油をはじめとする資源価格が高騰しました。
ご存じのように、日本は原油や天然ガスなどの資源の多くを輸入に頼っていますから、
輸入に伴う支払金額が急増しました。
その結果、貿易赤字がどんどん拡大して行きました。
また、コロナ禍の渡航制限により、
観光などで日本を訪れるインバウンドがほぼ消滅したことで、
サービス収支も悪化しました。
貿易収支とサービス収支の悪化を第一次所得収支の黒字で穴埋めするのが難しくなり、
いよいよ経常黒字がゼロに近付きつつあります。
経常赤字に転落した場合、資金(借金)を海外に頼らざるをえなくなり、
巨額の借金を抱える日本に対する海外の目は、非常に厳しくなると予想されます。
平たく言えば、「こんな低い金利ではとてもお金は貸せない」
と言われてしまう状況になるということです。
最近の極度の財政悪化の根底には、
アベノミクスと黒田日銀による“異次元緩和”があります。
黒田日銀は、国債を銀行などから大量に買い、
その代金を銀行に支払うことで市中に潤沢な資金を供給し、
デフレからの脱却をめざしました。
ただ、日銀が銀行に支払った代金は、
その多くが銀行が日銀内に設ける「当座預金」に滞留しています。
実は、この当座預金が異常に増えています。
残高はアベノミクスの10年弱の期間でほぼ10倍に膨れ上がり、
約500兆円に達しています。
問題は、金利の上昇です。金利が上がれば、預金の利息も上がります。
それは、日銀の当座預金も同じです。何しろ、500兆円です。
これまではほぼゼロだった金利がわずかに上がっただけで、
支払う利息は莫大な額になります。
覚えている方も多いと思いますが、
バブル期の郵便貯金には年8%くらいの金利が付きました。
私たちは超低金利にすっかり慣れてしまっていますが、
金利というのは数%あるのが普通なのです。
仮に金利が2%に上昇した場合、
日銀が支払う利息は10兆円(500兆円×2%)を超えます。
それに対し、日銀の自己資本は9.7兆円しかありません。
つまり、「債務超過」ということです。
金利が2%になったら、日本は完全にアウトなのです。
政府が巨額の借金を抱える中で中央銀行までもが債務超過に陥れば、
円安はこんなものではすまないでしょう。
1ドル=200円を超えて300円、400円さらには1000円だってあり得ます。
その頃には、日本は国家破産に陥っていることでしょう。
ですから、金利を上げるわけにはいかないのです。
ところがこの1~2年、世界的にインフレが進み金利が上昇しています。
もちろん、日本の金利にも上昇圧力がかかっています。
そこで、日銀は長期金利の代表的な指標である
「10年物国債の利回り」が0.25%を超えないよう、
無制限に国債を買う「指し値オペ」という政策を行なっているのです。
本来ならもっと上がっているはずの金利を、力づくで抑え込んでいるわけです。
しかし、金利上昇圧力は高まる一方で、
10年債利回りが一時0.4%を超える異常事態も起きています。
これまでは政府と日銀が何とか国債市場をコントロールし、
金利を抑えてきたわけですが、
それがいよいよ抑えきれなくなりつつあるのです。
この政策の矛盾が表れたのが、昨年の急激な円安というわけです。
円安になると、エネルギーや穀物など海外から輸入しているモノの価格が
国内で上昇します。インフレに拍車がかかるわけです。
そうなると、金利上昇圧力がますます高まるという悪循環に陥るのです。
一昨年には、当時財務省の事務次官を務めていた矢野康治さんが、
月刊『文藝春秋』の2021年11月号に「このままでは国家財政は破綻する」
という論文を寄稿しました。現役の事務次官、
つまり財務省の事務方のトップの主張に世間は騒然としました。
というわけで、「円は将来、紙キレになる」ことは、すでに確定したと思います。
中央銀行である日銀が、真っ当なインフレ対策をとれないからです。
金利を上げたら自分(日銀)が即死しますし、
大量の国債を保有する銀行も金利上昇(=国債暴落)により経営危機に陥り、
政府も巨額の利払いで破綻してしまいます。
まさに、“八方塞がり”の状態です。
日銀による今回の為替介入は、
車でいえばブレーキとアクセルを両方同時に踏んでいる状態です。
日銀は「金利を抑制」し、円安を促すことでアクセルを踏んでいます。
一方、「為替介入」は円安を止めるブレーキそのものです。
つまり、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるわけで、
車でこのような運転操作を行なえば、最後は壊れてしまうでしょう。
日本は、まさに「あり得ないことをやっている」
「あり得ないことをせざるを得ない」状況に追い込まれているわけです。
実はこれらの結果、最も酷い目に遭うのは私たち国民なのです。
たとえて言うなら、こうなります。
「面白い映画があるよ。チケットをもらったから行かない?」
と誘われて映画館に行きました。
館内の座席に座り照明が落とされ、いよいよ上映が始まりました。
しばらくすると、異変に気づきます。いつの間にか床が濡れているのです。
なんだろうと顔を近づけると、強烈な匂いが鼻をつきました。
なんと、その液体はガソリンです。
「これはまずい。逃げよう!」と多くの人が出入口に殺到しました。
ところが、ドアが開きません。びくともしないのです。
この状態で誰かが火を着ければ、館内は一瞬にして火の海と化します。
今の日本は、このような状態なのです。
というわけで、皆さんはぜひ早急に国家破産対策を打つべきです。
タイタニック号の映画でもわかる通り、
それまでは何ともなくても、最後は一瞬で急激な変動が起きます。
アルゼンチンもそうでした。
国家破産した国は、すべてそうなのです。
私は2025~2026年にとんでもないことが起きると予測しています。
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では、良いお年をお迎えください。 |