本日は海外の話題をお届けします。
今年、2022年に私は3度、海外へ行きました。
アメリカ、シンガポール、そしておよそ2年半ぶりに
大好きなニュージーランドにも滞在しました。
2022年は世界的にコロナ禍が解消しつつあり、
多くの国が国境を再開した年でもあります。
そこで私が渡航先として最初に選んだのは、アメリカでした。
4月上旬のことです。
目的は、まずワシントンD.C.にある安全保障関係のシンクタンクに所属する
2人の研究員から話を聞くこと。
そして、テキサス州ダラスで著名ヘッジファンド・マネージャーの
カイル・バス氏から話を聞くことにありました。
アメリカに到着してまずビックリしたのは、
誰もマスクをしていないということです。
私もアメリカ人が基本的にマスクを嫌うことは承知していましたが、
ほとんどの人がマスクをしていなかったことには驚きました。
もちろん、アメリカでも空港や飛行機の中ではマスクをしなければいけません。
しかし、それ以外の場所ではほとんどの人がマスクを外しているという状況でした。
まず私はニューヨークに行き、アフター・コロナのアメリカの空気を吸い、
次にワシントン訪れました。
ワシントンでは、2つのシンクタンクの研究員から貴重なお話を伺いました。
ロシアのウクライナ侵攻から2ヵ月も経っていない時期でしたので、
政治の中心地であるワシントンには独特な緊張感が漂っていたことを覚えています。
その後ラスベガスを経由して、最後にテキサス州ダラスを訪れました。
ダラスでは、カイル・バス氏にインタビューしています。
ご存じかもしれませんが、
バス氏はリーマン・ショック(サブプライムバブル崩壊)の際、
「空売り」という手法で一説には5,000億くらい儲けたと言われています。
投資の世界では知らぬ者はいない、というほどの男です。
バス氏とはおよそ8年ぶりの再会でしたが、
そのバス氏は多くの意味で進化を遂げていました。
一流の投資家でありながら、安全保障の分野にも大変な力を入れているのです。
アメリカ最南端に位置するテキサスという場所には、
古くから自警の文化が根付いています。
「政府には頼らない」「自分の身は自分で守る」、
そして「自己責任のもと、自由に生きて行く」という風土です。
詳細はお伝えできませんが、バス氏の紹介により、
私はそうしたテキサスの文化を体験することができたのです。
4月のアメリカは、まだ国境が再開されてから
ひと月くらいしか経っていませんでした。
それでも生活は、ほとんどの面で正常化していたと言えます。
経済も活気を取り戻していました。
それがかえってインフレに火をつけ、
今やFRBが積極的なインフレ退治(政策金利の引き上げ)に乗り出している始末です。
続く2回目の海外渡航は、6月のシンガポールでした。
シンガポール航空を利用しましたが、
以前に比べてサービスが悪くなったように思われました。
それが今回だけなのか、この先もずっとなのかはわかりませんが、
もう二度と乗りたくないと思わせるフライトでした。
アメリカに行った際はJALを利用しましたが、
シンガポール航空とは対照的に、食事もサービスも以前より良くなったと感じました。
私は、日本の航空会社のサービスが世界一だと思っています。
日本経済の停滞が叫ばれて久しいですが、
航空会社に代表されるような日本のサービスは、
やはり格別ではないでしょうか。
日本の良いところです。
円安でインバウンドが活性化しそうな気配ですが、
こうした良い部分をこの先も伸ばして行ってほしいものです。
シンガポールは、ホテルのサービスも悪くなったように思いました。
コロナ禍で労働市場がタイト化しているため、
航空会社やホテルも良い人材が不足しているのかもしれません。
こうしたサービスの悪化よりもびっくりしたのは
現地における物価の高騰ぶりです。
シンガポールも他国の例に漏れずインフレが席巻していますが、
日本人にはそこに為替(円安)も加わるため、
体感としてはすさまじいインフレでした。
まず為替ですが、2020年以前は1シンガポールドル=80円くらいでしたが、
今は100円くらいまで円安が進んでいます。
インフレと為替のダブルパンチにより、ホテル代は以前の倍、
食事も2、3倍と、嫌な気分になります。
もはや、日本人にとって海外旅行は高嶺の花となりつつあるようです。
帰国してクレジットカードの請求を見て驚愕するというケースが
日常茶飯事となることでしょう。
日本人の購買力がいかに落ちてしまったかを痛感したシンガポール渡航でした。 |