天国と地獄
 

2021年2月25日更新

第157 回 もはや日本には創造的破壊(ガラガラポン)しかない!!

 

皆さんこんにちは。浅井隆です。
つい最近、私としては非常に変わった本を出版いたしました。
私がいままでに出してきた本は、ほとんどが経済のトレンドに関するものです。
つまり「最近の経済はこんな状況で、これからこんなことになるのではないか」といった、
短期や中期、あるいは長期の経済予測を中心に本を出しています。
それに対して今回出した本は、もちろん経済も絡むのですが、
主に政治に関するテーマを扱っています。
具体的には、これからの日本をどうしたらよいか、ということをまとめています。
タイトルも『もはや日本には創造的破壊(ガラガラポン)しかない!!』として、
自民党元幹事長の石破茂さんのインタビューも含んでいます。
つい最近、日本経済新聞と毎日新聞に大きく広告を出し、
そこに大きく石破さんと私の写真を載せましたので、気づかれた方も多いかもしれません。

私がこれまで書いた300冊以上の本の中でも、これは非常に珍しい本です。
中身は経済予測のことはあまり書いてはいませんが、これからの日本をどうしたらよいか、
ということが書いてありますので、是非読んでいただきたいと思っております。
本の帯にはこう書きました。
「勇気を持って『革命』する以外に私たちに未来はない!
バラ撒きだけではこの国は救えない」――これはどういうことかと言いますと、
今回、新型コロナウイルスの世界的蔓延というとんでもない天災がやってきて、
飲食店、観光業を中心に多くの企業に打撃を与え、経済に深刻な影響を与えています。
そして、その中で職を失ったり、給料が下がったりしている人、
店がなくなったりと、大変な人たちがいるわけです。
これに対して日本政府はいま、「コロナ対策支援」として壮大なバラ撒きで応じています。
確かに政府は支援せざるを得ないし、これは仕方がないと思います。
ただ、今までも日本はバブル崩壊後に経済対策でバラ撒き、
リーマン・ショック後の金融危機対策でバラ撒き、
手厚い社会保障政策でバラ撒き、国家が莫大な借金を積み重ねてきました。
しかし、それももう限界です。これ以上の借金は、とんでもない破綻を招くと思われます。

それだけではありません。
日本という国は、明治維新によって近代国家に生まれ変わる過程で「中央集権」という
統治形態を選びました。つまり、東京に中央政府があってそれが全てをコントロールする、
という統治ですが、これが変化し続けてきた日本社会の実情に合わなくなったのです。
中央官庁、高級官僚がいて、税金から何からすべての行政を指揮、
命令して地方の末端までコントロールするやり方では、もう人々の活力を引き出し、
豊かで幸福な国民生活を維持することは難しくなっているのです。
しかし、それをカネの力で無理やり解決しようと政府はバラ撒きを続けました。
その結果として、借金ばかりが積み上がり、
史上最悪と言われる「GDP比 260%超」の借金ができたわけですね。
このままでは2025年までにGDP比 300%という、
人類史上今までにないレベルの借金が積みあがると見られています。
私は、この現状を放置している政治家や官僚はもちろん悪いと思いますが、
一方でそれを許している国民の責任も極めて大きいと思います。

では、どうしたら良いのか?
本の帯の後ろ側には、大きな改革案として6つのことを挙げました。
順に見ていきましょう。
一つ目は「首相を国民投票で」とあります。
今、国民の政治に対する関心は非常に低くなっており、
特に若い人の中には選挙に行かない人も多いわけです。
それを変えるために、私は首相を国民投票で選んでみては、と思うのです。
アメリカよりも、もっと先進的ですね。
アメリカの大統領選挙は、国民は各州の代表を選び、その代表が大統領を選ぶ、という形です。
ここでいう国民投票は、そうではなくて「直接投票」です。
首相を国民が直接選ぶのです。
すると、たとえば自民党の中からも2人、3人と候補者が出る可能性も生まれます。
もちろん野党からも候補者が出るでしょう。
そうなれば、私は非常に国民の関心や、熱意も高まるのではないかと思うのです。
なにしろ、自分の一票で首相が決められるわけですから。
ただもちろん、大統領制とは違います。国家元首は天皇のままにします。
行政府の長である首相を国民投票で選び、しかも大統領とまでは行きませんが、
今よりかなり強い権限を持たせて改革をやらせるのです。

そしてそれと並行して、二つ目の「独立国並みの道州制」を取り入れるのです。
どういうことかと言うと、今、県、市町村、郡などが地方自治体としてある訳ですが、
結局、国が全て税金も決定権もコントロールしているために、
地方自治体は大きな部分での裁量はほとんど持っていないのです。
それに対して、スイスやアメリカは州ごとに法律も違うし、
教育や産業から税制に至るまで実に多くのことが違うわけです。
日本も中央集権をやめて、地方が独自色を出して行政を回すのです。
ただし、日本は県ごとだと地域細分化しすぎて力が弱まると思います。
そこで、北海道をひとつ、東北地方はひとつなどという風にいくつかの道州に分け、
それらが個々に大きな権限を持ち、税金も自分たちで全て決める、という形にするのです。
たとえば北海道などは今、過疎化が進んでおり、
かつて基幹産業だった石炭産業も衰退したため非常に景気が悪いのですが、
税金を見直して法人税、民間の個人の所得税などを、
たとえば東京の半分にしてしまえばたくさんの企業がやってくるのではないでしょうか。
スイスなどはそうやって産業を誘致し、地域の生き残りを図っている州もあるのです。
そうした「完璧に独立国並みの道州制」を日本に布くわけです。
そして、そこでは教育も各地域で独自のものを行なうのです。

これは、三番目の「教育大改革でイノベーション力をもつ若者を」に結びついていきます。
明治維新以来、教育も中央集権で進められてきました。
東大と京大が最高学府として頂点に立ち、そして秀才はみな東大や京大を目指したのです。
そして、特に東大の法学部を出た人たちが国政を牛耳ってきたわけです。
彼らは優秀ですが、しかし民間が日々直面する実際の苦労や行政が解決すべき問題を
身に染みて知ることはないわけです。
これは、戦前の日本陸軍のトップたちと同じです。
士官学校を出て、実際の戦争を何も知らないまま参謀になった彼らは、
現場を知らないままにむちゃくちゃな戦争をやったわけですが、それと一緒なのです。
やはり私は、教育を大改革してイノベーション力を持つ、
つまり次の新しい時代を担う技術とか、新しい改革、
そういう発想とか力を持った個性豊かな本当の若者らしい若者、
これを育てる教育を取り入れたいのです。
しかも、道州制によって州ごとに違う教育ですから、それらを競うのです。
親もその内容を見て、「(数学教育に力を入れている)北海道州に移ろう」とか、
「(IT教育の進んだ)九州州に移ろう」などと、それによって住む場所を選ぶのです。

そして四番目です。「世界一の危機管理国家へ」
――これは、今回のコロナ禍への日本政府の対応でもわかるのですが、
ワクチン開発も供給も遅れている、PCR検査も遅れている、
行動制限や経済対策も中途半端という、非常に残念な有様です。
たまたま日本は、世界の中でも非常に感染者数が少なく済んでいますが、
これは政府が優秀なのではなく、全国民に接種しているBCGの関係ではないかと言われています。
つまり、“たまたま”そういう何かの具合で幸運にも封じ込めがうまくいっているようなもので、
国の危機管理能力という意味では非常に劣っているのです。
それだけではありません。
日本海を隔てた隣には、中国という非常に巨大な軍事国家があります。
そして、隣国北朝鮮も核兵器を持っています。
将来、もし国防上の重大な局面になったとき、この国は即応態勢ができるのか?
ということも極めて重要となってきます。
日本は地震や火山噴火、台風などの自然災害も多い国です。
国家の安全保障も含めて、やはり「危機管理のための危機管理省」という特別な省を作って、
そこで様々な危機への予防と危機対応策を一元管理させるべきなのです。
もちろん政府だけでなく、国民自体も危機管理能力を子供の頃からしっかりさせる、
そういう教育をすべきだと思っています。

五番目の「税制を革命的に変える」――これはどういうことかと言うと、
今この国には二つ問題があります。まずひとつ目は、所得税が高すぎることです。
法人税も高く、日本の企業や個人が生き生きとしていない大きな理由の一つに、
大きく稼いでも結局国に大きく持って行かれるということがあります。
稼ぎだけではありません。
たとえば親から受け継ぐ相続財産も、相続税で大きく持って行かれてしまう。
その点、たとえばニュージーランドなどは相続税がなく、
キャピタルゲイン課税もありません。
唯一、消費税はちょっと高くて15%ですが、それ以外の税金は安いのです。
その代わり、税金を払わないという人はほとんどいません。
非常に低い所得の人であっても、18%位は所得税を払うのです。
日本の場合、税金を払っていない人がたくさんいます。
扶養控除を気にして、あえてあまり働かず、税金を回避するというものや、
俗に「クロヨン問題」と呼ばれる、
自営業や農林水産業に従事する人の所得の捕捉率が低いゆえに課税を逃れているというものです。

それにも増してもっと問題なのは、消費税です。
売上1000万円未満の事業者は、お客さんから消費税分を上乗せしてもらっても
それを国には納めていないのです。
知らない人も多いと思いますが、この仕組みは絶対におかしいです。
客から受け取った税金分なら、それは税金として払うべきなのです。
なんなら見なし課税ででも払えばよい話です。
ここでも、税金を払っていない人が結構いるのです。
税負担の公平性は国の威信にかかわることで、そこがいい加減な国に未来はありません。
また、きちんと税金を払うことによって国家に対しても政治に対しても、
自分たちの税が正しく使われているのか、
どんなことをしようとしているのかと批判能力を持つようになるのです。
そのためにも、こうした税金を払っていない人を減らし、公平に税金を払うようにするのです。

また、重税や不公平な実態によって、
お金持ちがシンガポールやその他の海外に逃げてしまっているというのも問題ですね。
こういう人たちに帰ってきてもらうことも、税制を変える重要な狙いなのです。
ですから、まず税率を下げて、海外に逃げた人が日本に帰ってくる動機を作る。
実際に帰ってくる人には、たとえば海外にいて課税を免れた部分は1年以内に自己申告してもらい、
それに応じたある程度の税金を払えばあとは免除して、
大きな罪に問わないなどという対応にする。
これは、どこかの国でやっていたことだと思うのですが、
そういうことをやってお金持ちに戻ってきてもらうことが大切なのです。
やはり、お金持ちからきちっと税金をいただくために税率を下げ、
そのかわり日本に戻ってきてもらうというような、
そういう革命的な今までになかったような税制をやるべきだと思っています。

そして6番目の「少子化対策として2人以上子供を持つと儲かる仕組みを」です。
これは、極論と言えば極論なのですが、特に今回のコロナ禍によって、
皆が今後の生活に不安を持ってしまって、子供を産まなくなってしまったのですね。
ですから、今年生まれる子供は80万人を切ると言われています。
というわけで、少子高齢化が止まらないのです。
今まで自民党中心にやってきたこの政治の膿(うみ)というべきものですが、
国家戦略や長期的な視野が全くなかったために、少子高齢化への対策は野放しにされてきました。
このまま子供が減って老人ばかりになれば、いよいよ国家は滅ぶわけです。
いずれ日本人は、地球からいなくなってしまうでしょう。

その現状を変えるためには、極端なことをしなければならないのです。
この本の中では詳しい数字は書かれていますが、たとえば子供を3人産んだなら、
その家には合計で850万円位を無税であげてしまうのです。
子供が成人するまで、あるいは大学を卒業するまで、毎年あげるのです。
そうすれば、親は安心して育てられるし、逆に言い方は悪いですが
子供をたくさん産めば儲かる、というぐらいの加減にするのです。
今は、子供を産むと生活して行けないと、多くの人が子供を作りません。
将来が不安なのです。その不安を取り除くためには、それくらい極端なことをやるしかないのです。
コロナ対策のためにこれだけバラ撒いているのですから、
少子化対策のためにはこれぐらいバラ撒かない道理はないだろうと私は思います。
やはりお金の使い方には、きちっとメリハリをつけて行くことが大切だと思うのです。

この本の帯にも書いてありますが、
このままいけば「社会保障と財政は持続不可能」です。
石破さんも全く同じようなことを言っていました。
皆さんには、この国をどうするのか、
どうやって子孫に残すのかをよく考えていただくひとつのきっかけにするという意味で、
ぜひこの本だけは買って読んでいただきたいと思います
(近所の書店にない場合は、第二海援隊に直接お問合せ下さい。℡:03-3291-1821)。

 

わが国の未来の国民生活を守るためには、
“革命”とも言えるくらいの改革をするしかないだろう。
石破茂国会議員にもインタビューをし、真剣に考えてまとめた一冊だ。
ぜひ、ご一読いただきたい。  
  
(2021年2月 東京・御茶ノ水にて)