この4回、ヨーロッパ滞在中の話を続けてきましたが、
イギリス、スペインと見て来て今回の旅行の最後はフランスにやって来ました。
フランスといっても、パリ中心です。
数年前にパリで2回テロが起こり、
少し恐ろしくなったのでしばらくフランスは敬遠していました。
最近はテロもなくなったという話でしたので、久しぶりにマドリッドからパリに入りました。
今回訪れたのが7月の初旬でしたのでパリの街はものすごく暑く、
乾燥しているせいもあってほこりがひどいものでした。
もともとパリは東京と比べると汚い街なのですが、
以前よりもゴミは落ちているし、道はでこぼこだしと、さらにひどいものでした。
ちょうどフランスではバカンスに入った時期だったので、
人の少ないところを見計っていろいろな所で道路やビルの工事をしていました。
日本では建物の工事を行なう場合、
その周りを囲ってできるだけほこりなどが出ないようにしますよね。
パリの場合、そのような繊細なことはしません。
商店街を歩いていた時に、霧のようなものが出ているのが見え、
「何だろう」と思い近づいてみると、
ビルの中で石を削っている粉じんをそのまま外に出していました。
それを吸い込んで肺にでも入ったら、かなり身体に悪いと思います。
国が変われば、意識もずい分違うものだと感じました。
そんなパリで、今回いろいろなものを見て来ました。
実は、先日私が出版した『有事資産防衛 金か? ダイヤか?』(第二海援隊刊)の第1章に
「藤田嗣治」について書きました。
お読み頂いた方もいらっしゃると思いますが、
フランスで「レオナール・フジタ」と呼ばれた彼は、戦前はパリで活躍していました。
戦争中に日本に帰国し、戦後はGHQに捕まりそうになりながら、
その後ピカソと並び称される画家であるということを知ったGHQで人気者となり、
GHQの将校の奥様の肖像画などを依頼されて新円を稼ぎました。
当時、日本人は皆、新円を欲しがりましたから、
その新円で日本の資産家からダイヤモンドを買い、
買ったダイヤを絵の具のチューブに詰めて海外に出て、
再びパリで生き延びた、という話です。
ちょうど、彼の展覧会がパリで開かれていたので行って来ました。
小さな美術館でしたがものすごい人気で、
話を聞いてみるとフランスでは「フジタ」は、超有名人だということでした。
私は初めて彼の原画を観たのですが、
とても面白くて落ち着きのある、素晴らしい絵でした。
女性を描いた絵が多いのですが、どれも不思議な絵でした。
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パリで大人気だった藤田嗣治展。
資産保全のお手本としても参考にしたい。 |
普段パリではタクシーを使って移動するのですが、
石畳の上を車が猛スピードで走るとその振動で頭痛がするので、
今回は久しぶりに「メトロ」を利用しました。
パリのメトロというと、昭和天皇が皇太子の時、
イギリスを訪問された折にパリに寄られ、
お一人でパリのメトロに乗られた話が有名です。
ご存じのように、天皇というのはお金をご自分では使われません。
おそらく、当時のフランスフランを持って
ご自身で切符を買って乗車されたのだと思いますが、
それだけでも珍しいことです。
昭和天皇はその時のことを「一生の思い出で、本当に楽しかった」と、
ずっと懐古されていたという話を思い出しました。
以前、イギリスの地下鉄「アンダーグラウンド」が高くて
(約6区間で4.9ポンド、日本円で735円)汚ないという話をしましたが、
パリのメトロは中心部だけでしたら1.9ユーロ、日本円で250円くらいです。
日本の地下鉄が160円ですのでそれよりは高いですが、
車両の中は綺麗でエアコンの温度も快適でした。
その後、日本人の多いオペラ座の近くに寄った時のことです。
路地に人が行列を作っているので「何だろう?」と思い行ってみたら、
なんとローマ字で「SANUKIYA」と書いてありました。
そう、うどん屋さんです。
白人、中国人、日本人も含めて延々と並んでいました。
数年前に訪れた時からパリでうどんはブームでしたが、
今回は私もお店に入って食べてみました。
すると、残念なことに日本だったら
「これはちょっと(美味しくないよなぁ)」と思うレベルの味でした。
いろいろなトッピングを乗せてはあるものの、
日本だったら600円、700円くらいのうどんが、
2倍以上の1,600円、1,700円もするのです。
それでも和食ブームのお陰なのでしょうか、長蛇の列が続いていました。
物価は、驚くほど高かったです。
あまりに暑いので途中でカフェに入ったのですが、
ペットボトルのお水1本と小さな2種類のアイスクリームの盛り合わせが、
なんと2,500円でした。
日本でしたらお水は無料でサービスされますから、
1,000円もしないでしょう。
ですから、こちらの学生など若い人はカフェには入りません。
スーパーでお水を買って、公園で休みながら飲んでいますね。
日本だったら学生でも、ドトールや
少し高いかもしれませんがスターバックスくらいのカフェには入っていると思います。
しかし、パリではそうはいきません。
そうそう、カフェといってもパリではスターバックスはほとんど見たことがありません。
ディズニーランドも全然人気がないようです。
フランス人というのはアメリカのことを馬鹿にしていますから、
ディズニーランドのことも「お子様の国」くらいに思っているようです。
同じ白人でも、フランス人とアメリカ人は考え方が正反対だといって良いでしょうね。 |