天国と地獄
 

2018年6月5日更新

第59回 時代を読む天才

 

63年生きて来た中で、私もいろいろなものを見ていろいろなものを読み、
いろいろな人に出会って来ました。
最近つくづく思うことは、
この世の中にはまれに"天才”というべき人がいるということです。

日本は島国で、長い間定住して米を作って生活して来た民族ですので、
実は"天才を生みづらい”環境にあります。
というのも、小さな集団の中で少し変わっていたり抜きん出た人間がいると
「出る杭は打たれる」という言葉の通り、
その人をいじめたり潰したり変人扱いするところがあるからです。
欧米諸国などでは比較的、"天才を育てる”という環境があるのですが、
これから紹介する人物は、
私がそんな日本から出た天才の一人ではないかと思っている人物です。

その人は、「田中德右ェ門」さんといいます。
彼は現在95歳で、鉄鋼業界では有名な人です。
鉄鋼業界と言いましても鉄を製造する方ではなく、卸の分野です。
第二次世界大戦中は満州に派遣され、
終戦間際にソ連軍が満州に侵攻してきた際に捕まって捕虜となり、
シベリアに抑留されました。
満州からはるか北方のとんでもない場所に連れて行かれ、
4年間も強制労働をさせられたわけです。

多くの同胞の死に直面しながらなんとか生き延びて、
彼が日本に帰国したのは昭和24年のことでした。
まだ戦後のどさくさの真っ只中で、大変な状態の時です。
朝鮮戦争が勃発したのが昭和25年ですから、国民は皆、
食うや食わずで巷にはハイパーインフレが巻き起こっていました。
田中氏はそんな状況の日本に戻って来て、鉄くず拾いから始めたのです。
そして会社を大きくし、今や巨万の富を築いたということで、
鉄鋼業界では"立志伝中の人物”なのです。
95歳になられた現在も元気で、
今だに自分が興した会社に顔を出して指導することもあるくらい、
かくしゃくとしていらっしゃいます。

その田中氏は、20年近く前から私の本を読んで下さっていて、
私を認めて応援して下さり、
設立時から第二海援隊の株主にもなっていただいています。
加えて、私が最高顧問を務めている
世界の子供たちを救うためのボランティア団体
「CheFuKo」(第48回コラム参照)にも、
定期的に寄付金を下さっているのです。
本当にありがたく、感謝しております。

実は、彼は経営のみならず、経済においても天才です。
戦後、どのような時代の時も、
バブル崩壊の時でさえ何の遜色なく自身の会社を経営し、
資産もどんどん殖やして来ました。
言うなれば、「予測の天才」でもあるのです。
1990年にバブルが崩壊しましたが、
1985~89年の年末までのバブルと言われたその最中に、
彼は「これは、おかしい。きっとバブルが崩壊して、
大変な時代が来る」と言っていたのです。
彼の周りにいる人は、誰も彼の言っていることを信じなかったそうです。
それでも田中氏は手を打っていたので、
バブルが崩壊した時に何の影響も受けなかったのです。
同業者が軒並み大変な状況に陥っている時、
彼の会社だけは業績が良かったそうです。
その他、様々な経済予測も的中させています。

4月の末、そんな田中氏にお会いする機会があったのですが、
その時、彼は私にはっきりと言いました。
「あと10年以内にこの国は破裂する」と。
つまり10年以内に日本が破産する、政府が破産するという意味です。
理由も明確におっしゃっていました。
「どう考えても無理だ。いろいろな数字を見ればわかる。
今の政府の借金、社会保障の膨張、
そして老人がどんどん増えて行く人口構成、
そのどれを見てもやって行けるはずがない。
これがもし企業なら、とっくに倒産している」と。
そして、「なぜ一般の人は、それがわからないのだろうか」と嘆いておられました。

このように、予測を外したことのない男がこう予測しているのですから、
やはり10年以内の2028年までには日本国政府が破産して、
私たちはとんでもなく悲惨な目に遭っているかもしれません。
そろそろ、本気で備えた方が良いと思います。

以前もお話ししたように、
私はその手段の1つとして「ダイヤモンド」に注目しています。
金(ゴールド)と並んで、ダイヤも持つべきだと思っています。
なぜかと申しますと、金(ゴールド)は国が破産して徳政令を行なった時に
没収される可能性がありますが、
ダイヤはその対象にはならない可能性が高いからです。
しかも、第二海援隊では質の良いダイヤを
デパートで販売されている価格の3分の1~4分の1の価格で
購入できる方法を開拓しました。
ご興味のある方は、ぜひ「ダイヤモンド投資情報センター」に
お問い合わせいただきたいと思います(連絡先:電話03-3291-6106)。

最初に申しましたが、世の中に「天才」という人はいるものです。
田中德右ェ門さんもその1人だと思いますし、
彼には自分の会社を大きくし、
大勢の従業員を抱える責任の中で培ってきた実績があります。
こういう方の言葉は、実学として真剣に聞かなければなりません。
そして、やはり日本国というのは、
そろそろとんでもない時期に来ているのだということを、改めて感じる次第です。

 

95歳にして現役で、
社員のみならず
私にも的確な指導ができる
田中德右ェ門さん。
目標としたい大人物です。

(東京・中央区にて 2018年4月)