天国と地獄
 

2018年6月15日更新

第60回 ボヤ騒ぎに遭遇して

 

先日、私の会社が入っているビルでボヤ騒ぎがありました。
このビルは大変立派で最新の設備を備えており、
建物の前面には事務所が、
裏側には産婦人科病院が入っている構造になっています。
その産婦人科病院には入院施設があるため、
地下に入院患者さん用の食事を作る調理場があるのですが、
そこで天ぷら油に引火してボヤ騒ぎになったようです。

最新設備が備わっているビルですから、
すぐに警報音が鳴り響き
「火災が発生しているので避難して下さい」というアナウンスが流れました。
私は初めて、非常階段を使ってオフィスのある8階から下に降りました。
定期的に行なわれている避難訓練には、
社員を参加させ私はこれまで参加していなかったため、
8階から階段で降りるのは初めてだったのですが、
これが結構、きついものがありました。
このビルは天井が高いので、1階あたりの高さが他のビルに比べてかなり高く、
その分階段の段数も多くて、本当に大変でした。
8階から降りてくるのでさえこんなにきついのに、
タワーマンションの高層階から非常階段を使って降りる場合は、
一体どうなるのだろうか……と思いました。

2011年3月11日の東日本大震災の時も、
多くのタワーマンションではエレベーターが停止するなど大変な状況になりました。
そもそも、非常時のエレベーターの使用は危険ですから、
通常は禁止されています。
今後、首都直下型の地震や大きな災害が起こった時、
あるいは地方でも地震が起きた時、
背の高いマンションというのは避難に想像以上の負担がかかると思われます。
特に、高齢者や小さな子供を持つ家庭は、
その辺りを重々折り込んだ上で避難対策をして頂きたいと思いました。

下へ降り、外へ出てみると、消防車が到着していました。
新聞社に勤めていた時は、このような火災現場、事故現場、
そして御巣鷹山の日航機墜落現場などにも駆けつけましたから、
消防車と遭遇する事もよくありました。
消防車を見て、その時代の事を思い出し、
大変だった日々に思いを馳せました。
いずれにしても、「備えあれば憂いなし」です。
皆さんも日頃から防災意識を高めて、
訓練と非常時対策は万全にして頂きたいと思います。

 

真剣に避難してみないと、
どれだけ避難が大変かわからないものである。
煙や火の手に巻き込まれたら、
それこそ健康な大人でも危ういものだ。
避難訓練には面倒がらずに参加して頂きたい。

(東京・御茶ノ水にて 2018年4月)

防災といえば、先日私が監修している経済トレンドレポート第691号にも書きましたが、
鹿児島と宮崎県にまたがる霧島連山の新燃岳が噴火しました。
思い出してみると、あの3.11(東日本大震災)の1~2ヵ月前に、
やはり新燃岳が噴火しているのです。
新燃岳が噴火すると、歴史的にはその1年以内に日本国内で巨大地震、
あるいは富士山の大噴火が起きると言われています。
大きな災害が起きる可能性がありますので、
これを機にぜひ防災用品や食糧備蓄を万全にして頂きたいと思います。
何を揃えるべきかなどの情報をお持ちでない方は、
第二海援隊防災担当までお問い合わせ下さい(連絡先電話:03-3291-6106 担当:加納)。