その日は大雪の影響で、多くの列車が運休や遅延になっていました。
車掌さんも「出発しても途中で止まってしまうかもしれない」
と言っていたほどの状況でした。
そのような大雪の中で、しかも険しい山奥を走り抜けたのですから、
よく無事に到着できたと思います。
積もった雪を除雪しながら安全に走れるよう、
皆さんが頑張って下さったのだろうと思います。
旅行者としては、新幹線に乗っていれば車内は暖かいし、
スタッフがワゴンを押して食べ物や飲み物も売りに来てくれます。
この大雪の渓谷を楽々と越えられるなんて、すごい時代になったなぁと思います。
それと同時に、今回数十年ぶりに到来した大寒波についても思いを馳せました。
巷ではよく“温暖化”と言われますが、私は以前から本格的な“氷河期”、
少なくとも“ミニ氷河期”が来るのではないかと拙著等で述べてきました。
実際、それに近い状況になっています。
アメリカでもヨーロッパでも、今までにないような大寒波に見舞われています。
ひょっとすると、10~20年後に地球上にミニ氷河期が来るのではないかと見ています。
今から約400年前のヨーロッパの絵画には、
湖や河が凍ってスケートを楽しんでいる絵があります。
日本でも、江戸時代の初期にミニ氷河期があったという記録があります。
近い将来、それに似たミニ氷河期が来て、
東京でいえば5℃程度気温が下がり、ある程度の寒冷化になるかもしれません。
それはさておき、温泉の話をしたいと思います。
先日NHKのBSプレミアム「温泉大国ニッポン 名人たちの入浴法」で
温泉特集が放送されたのですが、
実は天下を取った徳川家康が湯治のために通ったことから、
今の熱海が温泉場となったという話が残っています。
家康は薬研(やげん)で漢方薬を作るのが趣味で、
医者よりも薬に詳しかったと言われるほど健康に気を使っていたというのは有名な話です。
そして、独自のサプリメントを作って飲んでいたそうです。
そんな家康ですから、温泉が体に良いことを身を持って感じていたのでしょう。
彼は、若い時に奥さんと長男を織田信長に殺されています。
奥さんが武田と通じていて情報を流していたのではないかと疑われ、
長男まで殺されてしまうのです。
長男の信康は本当に優秀で賢く、親にも孝行をするできた人で、
「これ以上の人物はいない」と言われるほどだったそうです。
ですから信長は、「こいつを生かしておくと、将来、徳川に乗っ取られるかもしれない」と恐れ、
それにかこつけて殺してしまうのです。
家康は終生、酒を飲むと「信康が生きていれば…」と悲しみ、泣いていたといわれます。
その頃の家康は、当時天下人だった秀吉の前では「絶対服従」の態度を示していましたが、
心の奥底では「秀吉は派手なことが好きで、健康にも気を使わずに好き放題やっている。
だから、自分は絶対に秀吉よりも長生きをして、天下を取ってやる!」と思い、
それを目標にしていました。
そのために勉強をしていろいろな知識を得て、医者よりも詳しいと言われるほどになりました。
熱海にもよく行って、温泉に入ったそうです。
温泉というのは温熱効果がありますから、体にはとても良いのです。
4代将軍の家綱は体が弱かったそうですが、
熱海周辺から温泉を樽に詰めて「将軍御用」として東海道を飛脚に走らせ、
運ばせていたらしいのです。それはおそらく、家康の姿を見て学んだのでしょう。 |