前回も述べましたが、先日の衆議院選挙で、安倍さんは消費税を増税しても
そのうちの半分は他の物に使い国の借金返済に充てる分を減らすと言いました。
野党はどこもかしこも消費税増税さえもしないと言いました。
安倍さんはひどいバラ撒きでしたが、野党はその上を行くバラ撒きを主張したわけです。
どこの政党のやり方にしても、国民に対して苦い薬を飲ませることをせず、
手術は痛くて血が出るからと避けて先送りするばかりで、状況はもっと悪くなります。
危機がやってくるのが2025年頃だから、
あと7~8年後ならまだ安心していていいじゃないか、
という考えは間違っていると思います。
たとえば今80歳の人が、自分が生きている間は年金をもらって生活できるから、
このままでいいと考えるのもやはりどこか違うと思います。
なぜなら、そのお孫さん、ひ孫さんがとんでもない目に遭うのですから。
ツケを次の世代に回す、ということなのです。
消費税を上げないという野党の主張はおかしな話です。
もちろん、消費税を上げなくてすむのなら、上げなくてもいいのです。
しかし、上げないのならわが国の借金膨張の元である社会保障費を大幅に減らすとか、
別の財源を見つけてくるとか、手を打たなければなりません。
それが見当らないのなら、消費税を最低でも30%位に上げなければ、
社会保障制度は持続不可能ですし、借金は毎年40兆円増え続けます。
今現在も1,200~1,300兆円の借金があるわけですから、
金利が上がったらもうおしまいです。
金利も含めて借金の元本自体も返して行くとなると、
毎年60兆円位を借金返済に充てなければならないのです。
そうすると、恐ろしい計算が成り立ちます。
税収その他で国の収入は60兆円しかないのに、それを全部借金返済に使うということです。
これはすなわち、「使えるお金がゼロ=予算がない」ということになるのです。
結論を言うと怒る人もいるかもしれませんが、
はっきり言ってしまうとこの国はもう借金を返せないのです。
安倍さんは、本当はそのことをわかっていると思います。
自分が政権を握っている間だけ良ければいいと思っているのでしょう。
政治家というのは、大体そういうものですから。
しかし、本当の政治家あるいは本物の政治家というのは、
「百年の計」を考えるものです。
だから今の政治家は、国民の受けの良いことを言って選挙に勝てば良いという、
「政治屋」的な考えでいます。
そんな政治家は全部辞めさせて、今の政治体制を変えるしかありません。
そうなると明治維新位の革命的な改革が必要になってきます。
そうでもしなければ、日本国は破産してしまいます。
そういう危機的状況にすでに陥っているということを理解して頂きたいと思います。
そこで、次回は法政大学の教授で財政学者である小黒先生のお話をしたいと思います。
浅井隆 |