天国と地獄
 

2017年9月15日更新

第33回 温泉と空港に見る日本文化の優位性

 

実は、アイスランドには温泉がたくさんわいていて、
ケフラヴィーク国際空港から車で約20分の距離のところに
「ブルーラグーン──青い潟湖」という場所があります。
白くて青い温泉で、面積は約5,000㎡もあり世界最大の露天風呂です。
入場料はかかりますが、タオルを貸してくれて3時間温泉に浸かっていられます。
ただ日本と違う点は、日本は裸で温泉に入りますがここでは水着で入ります。
そして、その造りは基本的に“プール”です。

 
 

ブルーラグーン
一応温泉だが、
日本の温泉の風情はない


 

日本の温泉といえば、温泉街があって、温泉旅館があって、
露天風呂があって、浴衣を着て、
そして夜は旅館で仲居さんがもてなしてくれる和食を堪能する……
そういう情景を思い浮かべますが、まったく違います。
その点、日本の温泉というのはサービスも含め風情も世界一ですね。
日本の温泉文化というのは、
1,000年以上かけて研鑽を積み重ねてきて
このレベルまで達したのだろうとつくづく思います。

温泉の中で私の特に好きな温泉は、
秋田にある「乳頭温泉」です。
その中でも「鶴の湯」「黒湯」には最高の風情があります。
今年も私は夏に行ってきました。
皆さんも日本への観光客を増やすために、
日本の素晴らしい温泉旅館をもっと世界に宣伝して頂きたいと思います。
日本の温泉旅館というのは、お寿司と共に今やもう、世界に通用する文化だと思います。
これを、もっと広めたほうが良いと思うのです。
私の好きなニュージーランドにも温泉はわいていますが、
温泉街や温泉旅館はありません。
海外に行くと自然の中に温泉がわいている場所があって、
それはそれで素晴らしいのですが、 湯冷めもします。
日本の場合は、温泉から上がるとすぐに部屋に入ることができて、
部屋には美味しい料理やお酒も待っていて、テレビを見るのもくつろぐのも自由。
海外の温泉の多くは、本当にただ温泉のプールがそこにあるだけなのです。
改めて日本のサービス、風情ある文化というのは凄いなと感じています。

皆さんも機会があればぜひ一度、アイスランドを訪れて
ブルーラグーンに入ってみてください。
そうそう、「シークレットラグーン」と言って、
川の横に温泉がわいている場所があって、
その中にも入ることができます。
これも、基本的にはプールです。
プールといってもコンクリートで覆われているわけではありませんが、
プールであることには変わりありません。
ブルーラグーンより、少し水温が温かかったと思います。
ここもとても良かったですよ。
写真も載せていますので、ご覧になって頂きたいと思います。

 
 

シークレットラグーン
ブルーラグーンよりは自然に近い状態

(2017年7月 アイスランドにて)


 

最後に、乗り継ぎで利用したフランクフルト空港ですが、
その酷い有様に驚かされました。
今まであまり利用したことがなかったのですが、
フランクフルト空港は世界の中でもハブ空港の一つでものすごく広い空港なのに、
案内がわかりづらいし、何をするにも不便で困りました。
日本の空港がいかに様々な面で行き届いていて旅行客にとってありがたいか、
アジアの空港がどれほど優れているかがよくわかりました。
フランクフルト空港のターミナル内にはトイレが少なくて、大変困りました。
ヨーロッパ最強の国・ドイツでさえその様な状況なのです。
こういう所からも、「やはりヨーロッパの時代は終わるのだな」ということがつくづくわかり、
とても良い経験になりました。

浅井隆