コラム天国と地獄
 
2016年10月5日更新

第3回 シンガポールにて

 

皆さん、こんにちは、浅井隆です。
やっと、海外から戻って参りました 。
東京はずっとひどい天気ですね。
すっきり晴れない、ずっと雨ばかり降っている。
日照時間もあまりなく、異常気象ですね。
実はこれは海外も一緒で、この間イギリスに行ってきましたが、
9月なのに信じられない暑さでした。
スイスも数十年ぶりの暑さで、ほとんど雨も降らず晴れの日ばかりでした。
しかし、イギリスもスイスも景気が良くないですね。
いつも行くレストランに行っても人がいない。
やはり、EU離脱問題の影響でしょうか。
スイス自体はそんなに景気は悪くないのですが、
ヨーロッパ各国の景気が悪いのでその影響を受けているようです。

 
 

2010年開業のマリーナベイ・サンズ
(写真左側)。
3棟のホテルが屋上にある
空中庭園(プール有り)で
繋がっている。
(2016年9月)

 

では、アジアはどうかと言いますと、
シンガポールではあの屋上に船のようなプールがあり
カジノも併設している「マリーナベイ・サンズ」という
世界一のホテルが数年前に完成し、
「いよいよ、シンガポールもここまできたか」と
有名なリー・クアンユーのご子息、リー・シェンロン現首相が発言しましたが、
私はその時、「シンガポールもピークを打ったな」と思いました。
大体、おごった時がピークなんですね。
案の定シンガポールはその後、厳しい状態となっています。
今、カジノはガラガラ、そしてカジノに来たお客もお金を使わない。
さらに、シンガポールではそこそこ名の知れたレストランも閉店する店が出始めており、
不動産も下がり始めている状況です。
そして香港でも、香港一の予約の取れない中華料理店に先日行った際、
夜の7時に行ったときにはすでに空いており、
8時になるともうほとんどお客がいない、
そして私達が帰る9時にはもうガラガラという、「えっ!」と思うような状況でした。

そして、今、不思議な現象が起きています。
中国の不動産、株が暴落してバブル崩壊と言われていますが、
実は中国では再び不動産が上がり始めているのです。
これには、2つ理由があるといわれています。
まず一つ目は、中国政府がこのままバブルが崩壊して奈落の底までいってしまうと、
中国人民の不満が爆発して国内統制が取れなくなってしまい、
共産党の存続が危うくなってしまう恐れがあるため、
政府が何とか盛り上げようとしているのです。
二つ目は、バブル崩壊後、一時中国人のお金がどんどん海外へ流出した時、
中国の経済が悪くなりました。
さらに、中国政府が強圧的な態度をとり続けたので
「怖い、早く海外へ逃げたい」という気持ちになり、
資産を海外へ移してしまう人が増えたのです。
それがどんどん進むと、中国からお金・資本が無くなってしまうわけです。
ですから、中国政府は「ゴーン!」と鉄の扉を閉めてしまい、
中国国内からお金を出せないようにしました。
そうなると、投資好きの中国人は国内で投資せざるを得ないというわけで、
現在、中国の不動産は再び上がっているわけです。
でもこれは、逆に怖いですよね、このバブルが弾けてしまうと、
今度こそ中国は奈落の底に沈む、と。
それが来年か再来年か、その時、世界経済は大変なこととなるでしょう。

そして、もう一つの例がニュージーランドですね。
今、ニュージーランドの不動産が信じられないほど上がっています。
この理由としては、パリでの2回のテロをはじめ、
ニース、ベルギーなどで立て続けにテロが起こり、
「ヨーロッパは恐い」「アメリカはいつテロが起こってもおかしくはない」
ということで世界中の観光客が「どこか安全な所」と探したところ、
ニュージーランドしかないと思い始めたためです。
しかも、ニュージーランドは世界一環境が良く、
綺麗で、財政破綻からもほど遠く、
こんなマイナス金利のご時世でも銀行の金利は3%もあり、
世界でもほとんどなくなった格付がAA(ダブルA)という、
安全な銀行も2つも3つもあるので、
世界中の人がニュージーランドの価値に気づいたわけです。
私は10数年前からニュージーランドに焦点を当て、
ツアーも行ってきたわけですが、やっと世界的に認められたと思っています。
移民もどんどん増え、景気も良くなってきています。
ただ、不動産に関していえば、今はバブルですね。今は買い時ではないです。

皆さんも世界中を見渡して「一番安全な場所はどこか」と考えた時、
それが日本なのかよく考えてみて下さい。
日本はこれから東南海地震が来るといわれ、
さらに国が破産するという可能性も出てきています。
今後、日本は資産を置いておくには安全な国ではないのです。
私は、世界で最も安全な国はニュージーランドなのではないか、と考えています。
今後も、ニュージーランドに、注目して頂きたいと思います。

そしていよいよ、私が危惧しておりました事態がやってきそうです。
財政学者が本当の事を言い始めました。
小黒一正先生という、財務省のシンクタンクの研究員で
現在法政大学の教授を務めている方が私に本当の事を言い始めました。
「もう、どうしようもならない状況だ、このままだと2025年位までには日本は破綻し、
徳政令もやらざるを得ない状況だ」と。
次回は、是非、その話をじっくりしたいと思います。

浅井 隆

 
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