「ヘッジファンド」――普通に生活していたら耳慣れない単語である。
ヘッジファンドを直訳すると、「ヘッジ」は「避ける」、「ファンド」は「資金、基金」という意味で、相場が下がった時でも「資金の目減りを避ける」という意味を持つ。では、実際にどのようなものかというと、機関投資家や富裕層などから集めた資金を一つの大規模な資金とし、投資のプロが株式や債券、商品、金融派生商品などに分散投資して得た運用益を還元する金融商品のことである。
日本では、ヘッジファンドはほとんど知られていない上に、「相場を乱高下させる要因」「巨額詐欺」等の報道から「恐ろしい正体不明のもの」というマイナスイメージが独り歩きしているが、「知らないから怖い」のであって、よく知れば怖いどころか素晴らしい存在であることが分かる。
そんな「ヘッジファンド」を知るための第一歩として書かれたのが本書である。
第1部にはヘッジファンドに詳しい専門家6名が「ヘッジファンドとは一体何なのか」をテーマに行なった対談をまとめてあり、第2部では第1部で語られた内容を具体的な知識として実際に活用できるようやさしく解説されている。第3部は一歩進んでファンド調査の専門家が調査・分析・研究したヘッジファンドの解説をコラムとしている。
これから「ヘッジファンド」に投資しようと考えている方の入門書としてだけでなく、すでに投資していらっしゃる方、専門家や機関投資家の方にも貴重な情報が満載の一冊である。
ぜひ手に取り、ヘッジファンドを「資産運用」の一つの手法としていただきたい。 |