2018年4月16日更新

第５４回　イエス・キリストは史上最大のビジネスマンだった!?（下）

前回の続きです。今からもう80年以上前になりますが、
大恐慌に入る直前の1920年代は「怒涛の20年代」と言われています。
アメリカは恐慌に入る前の10年間、ものすごく経済状況が良かったのですが、
ご存知の通りバブルになって最後は崩壊しました。
その怒涛の20年代に「イエス・キリストは史上最大のビジネスマンだった」という
『イエスの広告術』という本がアメリカでベストセラーになりました。
イエス・キリストが宗教というよりも何かを広めるために布教・宣伝をし、
どうやって人を説得して巻き込んで行ったのかについて書かれています。
私自身も本を書きビジネスを展開していますので、今後の参考にしたいと思う本です。　　　　

ただ、私はもう60歳を超えましたので、残りの人生はそんなに長くありません。
元気で生きていられるのはあと10年、20年ほどでしょう。
その間に私は、厳しい言い方をしますと
“ダメになってしまった日本”を根本的に建て直さなければならないと思っています。
経済的には優れているかもしれませんが、
外交能力、政治能力、そして自分たちの国を想う能力が、
今の日本人にはなくなってしまったと感じています。
特に東京のような都会に住んでいると、
通勤電車の中で他の人の足を踏んでも何も言わないような人がたくさんいます。
コミュニケーション能力のない、インターネットやスマートフォンを使って楽しんでいる
だけの人が増えているように感じています。

私はこの国をもう一度建て直すための方策として、
イエス・キリストと彼の弟子たちがやってきたことが大変参考になると思っています。
前回も書きましたが、彼らはローマ帝国に邪教の信徒だと言われ、
コロッセオに投げ込まれ、猛獣に食われてもなお、
自分たちの信念を捨てずにキリスト教を広めて行きました。
その「すごみ」には驚くと同時に、なぜそのようなことができたのかを調べて参考にし、
そのうち本にすることができたらいいなと思っています。
それは、人生において最も参考になる話であり、
数年後に私は独自の本にしたいと思います。ぜひ、期待してお待ちください。

釈迦もすごい人だと思います。
ただ、はっきり申しますと日本の仏教は本当に“葬式仏教”になってしまい、
堕落していると思います。
実は、私の知り合いに禅宗の「老師」がいます。
「老師」と言えば仏道の指導者としては最高峰ですが、
彼は少し変わっていて現代の堕落した仏教をかなり批判しています。
彼が言うには、そもそも戒名に関しての考え方がおかしい、
つまり偉くて高い位とされる戒名をもらうために、
何十万、何百万という大金を払わなければならない制度がおかしいと言っています。
釈迦はそのようなことは一切言っていませんし、
ましてや戒名は日本だけのものなのです。
それを、お坊さんが大金を取って偉そうにして与える。
つまり、貧乏な人には安い戒名しか与えず、
お金持ちにはお金と引き換えに高い戒名を与える……これがおかしな話なのです。
人間の価値に貧富は関係ありません。
心と精神がいかに気高いかによってその差をつけられるのは仕方がないですが、
お金を持っているかどうかで差をつけるのは絶対におかしいと思います。
そのような日本の今の仏教は、どこかがオカシイと感じています。

私は宗教を持っていないのですが、自分の葬式は仏教ではやりたくありません。
かといってキリスト教でやるのも変ですし、無宗教で取り行ないたいと思っています。
自分が亡くなるまでに、本当に素晴らしいと思うお坊さんに巡り合えれば別ですけどね。
戒名の位がどんなに高かろうと、お経にどんな偉いことが書いてあろうと関係ありません。
読経をし、修行を積み重ね、それを広めて行くお坊さんにすごい人がいれば良いのですが、
お坊さん自身が腐っていたらダメです。
ましてや高額なお布施をもらって、自分たちが旨いものを食べているなんてとんでもないことです。

宗教の話は尽きませんが、イエス・キリストの話はおもしろいので
皆さんにも関心を持っていただきたいし、
釈迦についても私ももっと勉強してみたいと思います。
宗教者としての釈迦ではなくて、
何冊か本も出ていますが人間としての釈迦がどれほどすごい人であったか？
どうしてこれだけの影響を与えることができたのか？
そういうことについて研究してみたいのです。
それが、人間として生きていく上での根源に関わる問題だと考えています。