天国と地獄
 

2020年1月24日更新

第118回 最新・ニュージーランド不動産事情

 

皆さんこんにちは、浅井隆です。
私は今、ニュージーランドに来ています(11月12日時点)。
お客様をお連れして、恒例のニュージーランドツアーです。
ツアーでは、成田を夕方の6時30分に出発し、
オークランドに現地時間で翌朝のだいたい9時過ぎに到着します
(今回は搭乗便が少し遅れたので10時になりました)。
そこから12時位発の国内線(ニュージーランド航空)に乗り、
90分程で南島のクイーンズタウンという、世界で一番美しいと言われる町に到着します。
そこでレンタカーを借りて2~30分走ると、アロータウンという、
今では本当にのんびりした町ですが昔、ゴールドラッシュに沸いた町があります。
そのすぐ脇に、私のお気に入りの「ミルブルックリゾート」があります。
私は、このホテルをこういう風に表現しています。
「世界にはもっと豪華なホテルは山ほどあるが、これほど自然の中でのんびりできて、
くつろげる宿はない」と。そんな感じのリゾートホテルです。

今回、私が非常に興味を持っていたのは、
「ニュージーランドの不動産は、果たしてどうなっているのか?」ということでした。
このクイーンズタウンは、私が初めて訪れた22年前の1997年には人口は5000人でした。
それが、今は3万人近くなっています。
それだけニュージーランド国内だけでなく、世界中からお金持ちが集まるようになりました。
それによって環境がさまざまに変化したわけですが、何より一番びっくりしたのは、
空港がどんどん大きくなったことと、
レンタカーに日本にはないようなすごく良い車が揃っていたことです。
ランドクルーザーなどが山ほどあり、高級車がたくさんあります。
いかに、中国人やアメリカ人をはじめ世界中からお金持ちが来ているのかがわかります。
いまや、ニュージーランドはそういう場所です。

今回、ツアーの合間にアロータウンの町にある立派な不動産屋に立ち寄りました。
そこで私は、本当に面白い体験をしました。
受付にはちょっと体格の良い、いかにもニュージーランド人という感じの35歳位の女性がいました。
窓のところに貼ってあった一見すると「これいいな!」という高級そうな物件があったので、
「見たい」と伝えたところ、相手にしてくれませんでした。
そこで「出来たら買いたい」ということを伝え、
時間があまりなかったためとりあえず値段を聞こうと思い、
「この物件に興味があります」と彼女に伝えました。
1~2分後、190㎝位の背の高い、こちらもいかにもニュージーランド人というような
40歳前後の男性が出てきました。
そこで、まぁ~驚きました。でかい、でかい、態度が。
「売ってやってもいいが、どこの馬の骨だ?」という感じで、
私のことをつま先から頭のてっぺんまでジロジロ見ました。
「こいつはどんな時計をはめていて、どんな服を着ているのか?」という感じです。
つまり、どの位お金を持っているのか値踏みしてきたのです。
それが、本当に嫌な目つきでした。

イギリスとその旧植民地諸国からなる「イギリス連邦」というものがあります。
オーストラリアやニュージーランド、南アフリカなどが加入し、
その旗にはユニオンジャックが入っていたりします。形式上、女王陛下が元首です。
そして、どこもラグビーが大好きです。
アメリカはイギリス連邦ではありませんが、
同盟国ですし歴史の背景から考えると親せきみたいなものです。
イギリスも含め、そういった国々の中で唯一、
「ニュージーランド人だけは違う」と言われています。
良い意味で「あいつら、ちょっとおかしい」と。
どういうことかと言えば、ニュージーランド人の事を俗称で〝キウイ〟と呼びます。
キウイとは、人懐っこく穏やかな性質のニュージーランドを代表する鳥で、
それと同様にニュージーランド人も、良い意味でも悪い意味でもお人よしで、
非常に友好的な人が多かったのです。
だから、この国は基本的に人種差別が全くありませんでした。
私も今までニュージーランドで人種差別を受けたことがありません。
アメリカやイギリスは結構、人種差別があります。
トランプ氏などは人種差別主義者ですから、
国に利益をもたらしそうなITができるインド人でさえ「入ってくるな」という位です。

かつて、ニュージーランド人というのは、
本当に「天国で暮らしている民族か」という感じがありました。
以前のニュージーランドツアーで会員様を連れて不動産視察をした時のことです。
ニュージーランドでは、表通りに面した家よりも、表通りから入る枝道、
車が一台やっと通れるような道を30m位先に入ったところにある家が好まれます。
こういう家の方が静かだからです。
そのような物件を視察した時、たまたまその小道の途中にある家のりんごの木がたわわになっていて、
しかも外の道路に垂れ下がって出ていたのです。
私が思わずその実を取って食べようとすると、
ちょうどその家の窓際にいたおばあさんと目が合ってしまいました。
日本や他の国でしたら「他人の家の木のリンゴをなぜ食べるの!」と怒られるところでしょう。
ところが彼女は家から出てくると、「どこから来たんだい?」と尋ね、 「日本です」と答えると、
「いい国から来たね。リンゴならいくらでも持っておいき」と言ってくれたのです!
ニュージーランド人は、かつてはそういう国民だったのです。
ところが、今回の不動産屋みたいに、
今ではニュージーランド人は「銭ゲバ」のようになってしまったのです。
かつて1988年~89年のバブルの頃は日本もそうでした。
私も取材でアメリカに行っている頃、飛行機の中でたまに見かけましたが、
本当に日本人か? というよりも地球人か? という感じの横柄な日本人がいました。
当時、札束切って歩いている日本人がたくさんいましたね。
半分チンピラみたいな不動産屋ばかりでした。

話をアロータウンの不動産屋での出来事に戻しますと、
いやな目つきのニュージーランド人に私は日本から来たことを伝えると、
なんと「日本人は買えないんだよ、ここは」と最初から拒絶されてしまったのです。
国の方針で、外国人が中古物件を買う事ができなくなったとは言え、酷い対応です。
そこで、「いや、私ではなくてこちらに住んでいる日本人の友達が
買うかもしれないから値段を聞きたい」と伝えると、少しだけ態度が変わりました。
そして、不動産屋の外に張ってあるチラシにも出ていたように
「ネゴシエーション」と言われました。
つまり、具体的な値段の記載はなく、交渉によって価格が決まるわけです
(少し説明を加えると、非常に良い物件で、売り手に自信があり強気の場合、
「ネゴシエーション」となる場合が多くなります)。
それでももう少し突っ込んで値段を聞くと、「5ミリオン以上」ということでした。
今、ニュージーランドドルが70円位ですから、それで計算すると3億5000万円。
ただし、この国の物価で言うと1ドル=100円位ですから、
実際には5億円以上ということになります。
このような感じで現地に住むお金持ちの中国人やアメリカ人相手にふっかけてくるわけです。

ただ、貰ったパンフレットを見ると、とても良い物件でした。
土地が8000平米で、家は平屋、すべての部屋に光が入ります。
築10年以上たっていますが、こちらでは10年なんて何でもありません。
100年経ってもいい家は持ちます。
ニュージーランドには白アリはおらず、
湿気もあまりないので日本よりかなり家が長持ちします。
中古物件が当り前の国で、逆に新築物件にはあまり良いものはありません。
中古の方が、良い場所に良い材料を使って建てられているのです。

今回の不動産視察は、ニュージーランドもついにここまで来てしまったか、という思いです。
私が初めて来た97年にこの同じ物件があれば、恐らく50万ドルはしなかったでしょう。
30万ドル位ではなかったでしょうか? それが5ミリオン以上ですから約20倍。
20年で20倍は頭がおかしいレベルです。
この状態は長くは続かず、もうすぐ崩壊します。
以前、「経済トレンドレポート」でも書きましたが、
今世界で一番高い不動産はニューヨーク、ロンドン、香港で、
もうその最高級物件には値段がつかない状況です。
暴騰してしまって、誰も買い手がいないのです。
取引されないので、価格は宙に浮いたままで値段が落ちません。
ニュージーランドもいずれそうなるでしょう。
あの不動産屋の態度を見ても明らかですが「あ~あ、ここまできちゃったんだな」と感じます。
ニュージーランドは、今が最後のバブルのピークです。
恐らく、3~4年後には価格を半分にしても売れないでしょう。
その頃には足元を見て3分の1くらいの値段で買えるのではないでしょうか。

ニュージーランドは非常に良い国なのですが、今ではこんな状態になってしまいました。
ただ、自然は相変わらずの素晴らしさです。毎回ここを訪れる度に思います。
「こんな国は他にはない!」と思います。
地理的に見て、たとえ核戦争になってもここだけは生き残ると言われています。
ですから、皆さんは価格が十分下がるのを待って、
2~3年後にニュージーランドの不動産を買って下さい
(その時、国の方針で日本人が買えるのかどうかはわかりませんが。
ただし、新築物件は日本人でも買えます)。
株式会社第二海援隊で主催するツアーで私が同行する唯一のツアー
「ニュージーランドツアー」は、毎年11月に開催します。
昨年から不動産視察が復活しましたので、
今のうちに優良物件に目星をつけておくのが良いかもしれません。
特に、南島のクイーンズタウンを訪れる「Aコース」は
ニュージーランドの自然を存分に体験できるのでお勧めです。
是非、一度ご参加下さい。お待ちしております。

 

物件のテラスから撮った1枚。
テラスからは海のみならずランギトット島が良く見える。
ニュージーランドでは、海とランギトット島が見える物件は価値が高い。
こんな良いロケーションの住宅は、新築にはなかなかない。
いまから不動産バブル崩壊を見込んで視察することをお勧めする。
              (2019年11月 ニュージーランドにて)